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人工干潟は信頼できない

 新堀川にフタをして道路にする計画は,批判が大きかったせいか,少し変更された.この新しい案では川の西側にある道路を拡幅し,同時に川の位置を少し東にズラす.これで川の自然は守れるというのが高知県土木部の主張らしいけれど,私はやはり問題があると思う.

 そこで,次のような趣旨の意見を「高知新聞」に投書してみた.

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 新堀川と周辺の整備については,今ある自然をできるだけ残して行くことを基本に考えて頂きたい.提示されている案から選ぶなら,第3案「現状のまま」を支持する.

 他の案で特に目につくのは「干潟の造成」である.このような「干潟」ではシオマネキほか,いま当該地に生息している生物相が存続する可能性は非常に低い.水の生物を多少とも扱った経験のある人なら,この計画が生物の保護に結びつかないことは容易に理解されるはずだ.

 そもそも新堀川の干潟は川の流れの変化,水の停滞などの条件により自然にできたものである.人工干潟を造っても,その後の水の流れによって,その干潟が生物に提供する諸条件は変わって行く.たとえば干潟を構成する泥土の性状(粒子径や成分)も変わる.
 シオマネキが摂食している珪藻類についても,水が運んで来る藻類の種類や量は,カニなどの生物にとっての干潟環境を作る大きな要員である.計画されている人工干潟では,そのような要因が考慮された痕跡がない.

 したがって,今の計画第1,2案で提示されている人工干潟は,シオマネキの保護に結びつかない.いま自然にある良好な環境を捨てて,わざわざ粗悪な環境を造ることになる.シオマネキ保護計画というよりはむしろ,シオマネキ駆除計画である.よって第1,2案には強く反対します.
 新堀川周辺の景観やアメニティについては,もっと別の観点から計画を練っていただきたい.とりあえず「まず道路ありき」でそればかりが先行し,自然保護をこれほど無視した計画には反対するしかない..


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